おすすめ本『文学の空気のあるところ』
文学を知る
今回は、日本の文学についてのおすすめ本を紹介したいと思います。
『文学の空気のあるところ』荒川洋治著(中央公論新社)
こちらは以前にオススメしたボルヘスさんの本の日本版に近いかと。
あちらは西洋の詩についてのあれこれですが、
こちらは日本の文学、主に近代文学について(?)のあれこれです。
近代文学、わたしはまっったく詳しくないのですが、
知らなくても全然読めます。
し、読みたくなってきます!
(学ぶべきところがたくさんあるので付箋もいっぱい。^^)
そしてこの本も講演をまとめたものなので、口語で書いてあってわかりやすい。
わかりやすいの、大事です!(何度でも言う)
そして詩だけでなく小説も扱っているので日本文学全般なのですが、
わたしはこれを読んで、散文と韻文の違いだとか、
文学が人の役に立つ実学なんだというのをじっくり教えてもらいました。
最近は大学の文学部も減っているというので、
そこに頑として提示したいような内容になっています。
荒川洋治さんと「夏の文学教室」
荒川洋治さんは現代詩作家で、
わたしも何度か日本近代文学館主催の「夏の文学教室」で講義を受けたりいたしました。
ざっくばらんな方で、お話もおもしろい。
その講義の一部もこの本の中に収録されております。
自分がこの本を読んで、夏の文学教室に参加しようと思ったのか、
たまたま何らかのきっかけ(好きな作家さんが参加するとかで)文学教室に行って
荒川さんと出会ったのか、いまとなってはもう定かではないです(笑)
そしてここ数年はコロナ禍で文学教室は開催されておりません。
わたしにとって夏の風物詩のようなものなので、
仕方ありませんがちょっと淋しいです。
本をもっと読もう
さて、この本について一つ問題があるとすれば、
この本の中でさまざまな文学作品が紹介されているので、
これを読みたい、読まねば!
っていう気にさせられるとこですかね(笑)
荒川さんの文学知識がすごすぎて圧倒されます。
わたしは詩人の長田弘さんも尊敬してやまない存在なのですが、
長田さんも読書量はんぱなくて、
そんな方々の話を読んでいると、
本当に本をもっと読まねばなという気にさせられます。
そしてこの本もボルヘスさんの本と同様に、
これからの文学のあり方や、読み方、社会への接し方などが書かれているので、
過去の作品だけではなく、未来に向けてのスタンスも学びのひとつです。
GWもあとわずかですが、
少し時間のあるときにじっくり静かな空間で
文学の空気を浴びるのに良いと思います!